日本の和食は健康によいということで世界的に注目されていますが、その和食に欠かせない調味料の一つにみりんがあります。昔ながらの伝統的な製造方法で作られた本みりんは、味噌やしょう油などと同じ発酵食品で、健康効果の高い食品です。発酵食品である本みりんの効能とは、どのようなものなのでしょうか。
目次
効能が期待できる発酵食品の本みりんとは
スーパーなどの店先には、みりんという名前で多くの種類が売られていますが、すべてが発酵食品ではありません。みりんは、大きく分けると次の3つに分類されます。
・本みりん
・みりん風調味料
・発酵調味料
これらは全て原材料、製造方法、風味も異なります。本みりんは、純米本みりんと表示されることもあり、蒸したもち米に米麹、焼酎もしくは醸造用アルコールを加え発酵させてできたもろみを搾って作られますが、他の二つはブレンドなどによって作られ、必ずしも発酵により作られているわけではありません。本みりんの発酵食品としての効能を期待するならば、表示をよく見て、本みりんを選ぶようにしなければなりません。
本みりんの中でも短期間で作った本みりんは透明に近い色をしていて白みりんと呼ばれ、長期熟成させたものは琥珀色で赤みりんと呼ばれます。料理の色をきれいに仕上げたい時は白みりんを、味に深みを出したい時は赤みりんを使うというように料理のタイプで使い分けると良いようです。
発酵食品本みりんの健康に対する効能
発酵食品の本みりんは多くの糖とアミノ酸が含まれていますが、これらが本みりんの発酵の過程で結びついてメラノイジンという褐色の色素に変わります。このメラノイジンは活性酸素を抑制する働きがあるので、本みりんを摂取すれば、老化防止やがん抑制という効能があります。
本みりんには、血圧上昇を抑える効能もあるといいます。そして、本みりんの甘みを上手に使えば、糖尿病や肥満の人も、料理の甘みを残したまま砂糖の摂取量を減らすことができます。また、本みりんを料理に使えば、砂糖を使わないので、虫歯予防の効能もあります。
本みりんの健康に対する効能の研究は始まったばかりで、他の発酵食品のよりもわからない部分も多いようですが、お料理に使いやすく効能の多い発酵食品と言えそうです。
料理を美味しくする発酵食品本みりんの効能
本みりんをなめてみるとわかりますが、甘酒のように甘みが強い発酵食品です。本みりんの甘みは、米麹に含まれる酵素によって作られたブドウ糖やオリゴ糖によるものなので、砂糖のショ糖による甘みに比べてマイルドな甘みです。そのため、料理に本みりんを使えば料理の甘さを残したまま砂糖の摂取量を減らすことができます。
さらに、本みりんには、原料のもち米から発酵の過程で生まれたアミノ酸やペプチド類、糖類、有機酸などの成分を多く含んだ発酵食品です。そのため料理に使えば、豊かな旨味やコクも生まれます。
本みりんには料理の味付けが早く、均一にできるという効能もあります。魚や肉の臭みも消し、素材のパサつきを防いでしっとりと仕上げ、カボチャやイモ類のデンプン粒が流れ出すのを防ぐので煮崩れしやすい野菜や白身魚などの煮崩れを防ぐ効能もあります。
本みりんは、味噌やしょう油などの他の発酵食品との相性もいいので、料理の味を上手にまとめてくれます。意外にも、本みりんはトマトやキムチの酸味やカレーやトウガラシの辛さをマイルドにする効能もあるので、和食だけでなく中華や洋食、エスニック料理などにも合います。お料理には、ぜひ利用したい発酵食品といえるでしょう。