発酵食品の起源、日本での歴史

発酵食品の発祥はとても古く、8000年前にはすでに世界最古の発酵食品が誕生していたとされています。
発酵食品の起源や歴史を学ぶことで、同時に昔の人々の暮らしや生活環境を知ることができます。

発酵食品とは

発酵食品とは微生物などの作用を利用して食材を発酵させ、加工した食品の事です。
発酵方法は微生物の力で発酵させるもの、酵素の力で発酵させるもの、生物の自己消化(自己融解)作用による変化を利用したものなどがあります。
体に害を及ぼす雑菌の繁殖を抑え、体に入れても害のない微生物や酵素の働きを活性化させることで食品の発酵が進みます。
発酵させる食品は多岐にわたり、肉、魚、野菜、牛乳、米などが挙げられます。
科学の発達により、主に微生物の作用で食品の発酵が促されていることが理解されるようになりましたが、昔は「理由は分からないが、所定の工程を行うことでおおむね同じような状態に変化する」という程度の理解で発酵食品を作られていました。

発酵食品が根付いた理由

発酵食品は製造する際、温度、湿度、空気、液体の成分などの環境調節が徹底されます。これは、体に害のある雑菌の繁殖を抑え、体にいい作用をもたらす微生物の繁殖を促すためです。
雑菌の繁殖が抑制されることで食品の腐敗速度が緩やかになるため保存性が高まります。そのため、冷蔵、冷凍技術が発達していなかった時代に大変重宝される加工方法でした。
特に乳酸菌による乳酸発酵では、発酵の過程で生産される乳酸が雑菌の繁殖を抑制する力に優れており、さまざまな地域に根付いています。
乳酸菌による発酵食品はヨーグルト、チーズ、キムチ、ぬか漬けなどが挙げられます。様々な地域の代表的な発酵食品が乳酸菌による発酵食品であることから、昔から世界各国で乳酸菌が利用されていたことが分かります。

世界最古の発酵食品

考古学的に世界最古の発酵食品だと言われている食品はワインです。ワインは約8000年前の新石器時代には存在していたとされています。
8000年前のものだと思われる壺の科学分析を行ったところ、ワイン醸造の痕跡が発見されたためです。
その壺が見つかった国がジョージアという国であったため、ワインの発祥ははジョージアであると考えられています。
次いで古い発酵食品もインドで作られていたワインであるとされています。インドでは約7000年前からワインが作られていました。

日本最古の発酵食品

日本最古の発酵食品だと言われている食品は醤(ひしお)です。醤とは醤油のような調味料で、縄文時代末期に利用が始まっていたとされています。
醤には果物や野菜、海草などを材料とした「草醤」、魚を材料とした「魚醤」、穀物を材料とした「穀醤」の3種類ありました。
しかし、縄文時代はまだ製造技術が発達しておらず、醤は偶発的にできるものであったためあまり一般的ではありませんでした。
本格的に醤が作られるようになったのは中国から発酵食品を作る技術が伝えられた大和朝廷時代頃のことです。食材を塩漬けにして保存し、発酵、熟成させると旨味を持った醤が完成することを知り、ようやく日本でも醤作りが広まっていきました。
しかし、庶民は醤を年貢として納めるのみで口にすることはできませんでした。醤は一部の貴族が口にするだけの高級品でした。
庶民の間で醤(醤油)が広く使われるようになったのは、それから随分と後の江戸時代初期~中期頃です。

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