醤油の起源は、肉や魚や野菜に塩を混ぜた保存食「醤(ひしお)」と言われています。また、そのルーツは東南アジアではないかと言われています。
「醤(ひしお)」が日本へ伝わると、日本独自の発展を遂げて味噌が誕生しました。その味噌を作る際の桶に溜まった汁が醤油になったと言われています。
一般的な醤油の主な原料は、脱脂大豆、小麦になります。小麦は初めに煎って、麹菌のエサであるデンプンを消化しやすくします。
そして、煎った小麦を大豆に混ぜて、麹菌の胞子を撒きます。約3日程度で醤油麹が出来上がり、食塩水を加えて仕込むと、もろみが完成します。
このもろみを長時間発酵・熟成・圧搾し、生醤油が完成します。この生醤油をさらに加熱殺菌すると、醤油になります。
では、醤油の種類を紹介します。
濃口醤油(こいくちしょうゆ)
醤油麹に食塩水を仕込んで、6~8カ月かけて発酵・熟成させます。
色は明るい赤褐色で、調理用・卓上用と多彩に使えます。最も代表的な醤油になります。
主な生産地は、千葉県の野田や銚子、兵庫県の高砂、香川県の小豆島です。
濃口醤油の主な原料
大豆、小麦、塩
濃口醤油の主な栄養成分
タンパク質、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ビタミンB2
濃口醤油のエネルギー
71kcal
濃口醤油の食塩相当量
14.5g
濃口醤油の体への働き
食欲増進、骨粗鬆症の予防、動脈硬化の予防
濃口醤油の使い方のコツ
深いうま味とクセのないまろやかな味わいのため、幅広く使えます。
ソース類やドレッシングとしても使うことができます。
濃口醤油の保存方法
直射日光を避け冷暗所で保存します。開栓後は冷蔵庫で保存します。
淡口醤油(うすくちしょうゆ)
抑えめの色と香りが上品で食材の持ち味を生かす醤油です。
京阪神を中心に関西方面で生産しています。製造方法は濃口醤油とほとんど同じですが、大豆を蒸す時に製品に色がつかないように圧力をかけず、小麦もあまり煎らずに作ります。
仕込みには米麹の甘酒を加えて、味に深みを出します。食材の味や色が引き立つように、醤油の色が薄く塩味が強いのが特徴です。
淡口醤油の主な原料
大豆、小麦、塩
淡口醤油の主な栄養成分
タンパク質、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ビタミンB2
淡口醤油のエネルギー
54kcal
淡口醤油の食塩相当量
16.0g
淡口醤油の体への働き
食欲増進、骨粗鬆症の予防、動脈硬化の予防
淡口醤油の使い方のコツ
色が薄く香りも抑えた醤油です。炊き合わせ煮物など、食材の風味と色を大事にしたい料理に使用することがおすすめです。
炊き込みご飯や和え物など、幅広く使えます。
淡口醤油の保存方法
直射日光を避け冷暗所で保存します。開栓後は冷蔵庫で保存します。
溜醤油(たまりしょうゆ)
溜醤油の原料は、ほとんど大豆になります。一方、濃口醤油は大豆と小麦の比率が1:1になります。
溜醤油は約1年間発酵・熟成させます。大豆が多いため、色は黒く、とろりとした濃厚な味わいになります。
主に、愛知、三重、岐阜で作られています。
溜醤油の主な原料
大豆、小麦、塩
溜醤油の主な栄養成分
タンパク質、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ビタミンB2
溜醤油のエネルギー
111kcal
溜醤油の食塩相当量
13.0g
溜醤油の体への働き
食欲増進、骨粗鬆症の予防、動脈硬化の予防
溜醤油の使い方のコツ
刺身醤油やつけダレとして主に用いられます。また、照り焼きや煮物、せんべいなどのタレにもよく使われます。
味が濃いため、佃煮といった味の濃い塩気のある料理に重宝します。
溜醤油の保存方法
直射日光を避け冷暗所で保存します。開栓後は冷蔵庫で保存します。