食品を発酵させるのは、カビです。発酵にかかわる微生物は、主にカビ、酵母菌、細菌の三種類になります。
例えば、その三種類の中に、麹菌、アオカビなどよく聞く菌が存在します。
菌やカビは負のイメージが多いですが、発酵を行う菌は人間に役立つ菌です。
発酵食品を作り上げる代表的な微生物5種類を紹介します。
発酵をつかさどる微生物の成長の仕組み
麹菌を例に挙げると、まず、植物の種子にあたる胞子が菌には存在します。
その胞子がエサのある場所に落ちると、発芽して菌糸を伸ばします。
次に菌糸から枝が生えてきて、その枝の先端が膨らみ、また胞子が出来上がります。
そして、その胞子がまたエサのある場所に落ちて…を繰り返します。
このようにして、麹菌は増え、発酵食品を作り上げます。
乳酸菌
食品に含まれる乳糖やブドウ糖を栄養源にし、乳酸を分泌します。
動物の乳に乳酸菌を加えると、酸性が強くなり液体が固まります。この性質で作られた食品が、ヨーグルトです。
最近では、様々な乳酸菌が注目を浴びています。
乳酸菌で作られる代表的な食品一覧
- ヨーグルト
- 漬物
- 味噌
- チーズ
- 醤油
麹菌
加熱した穀物に繁殖するカビの一種です。厳しい環境でも発酵する力を保つ強い菌です。
日本酒、醤油、味噌など、和食には欠かせない菌の一種になります。
糖分やアミノ酸をつくりだし、食品に甘みとうまみを追加してくれます。
麹菌で作られる代表的な食品一覧
- 日本酒
- 味噌
- 米酢
- 醤油
- 本みりん
酢酸菌
アルコールを酢酸に変える菌の総称になります。
「酢」という漢字から分かるように、酢は酒が酢酸発酵したものになります。
酢酸菌の中には、発酵の過程で膜をつくるものも存在します。これを利用した食品が、ナタ・デ・ココになります。
酢酸菌で作られる代表的な食品一覧
- 酢
- ナタ・デ・ココ
酵母菌
野菜の表面、空気中、土壌など、自然界の様々なところに存在する菌です。
発酵の過程で糖を分解し、二酸化炭素とアルコールを作り出します。その作用を利用して、酒が作られます。
パンの膨らみも二酸化炭素の働きによるものです。アルコールの性質によって、よい香りが発生します。
酵母菌で作られる代表的な食品一覧
- ワイン
- 醤油
- パン
- 日本酒
- 味噌
納豆菌
稲わらに生息する細菌です。加熱した大豆に加えて発酵すると、たんぱく質を分解してアミノ酸を生成し、納豆になります。
発酵の過程で、ビタミンB2は煮豆の6倍、ビタミンK2は他の発酵食品に比べて数百倍ものビタミンが生まれます。
納豆菌で作られる代表的な食品一覧
- 納豆