
発酵食品が体にいいと聞くことがありますが、そもそも発酵って何だろうと思っている方も多いかもしれません。発酵とは、酵母や乳酸菌などの微生物のはたらきで、植物に含まれる糖分が分解される時に二酸化炭素、つまり炭酸ガスが発生することです。この時、発酵の前後で食品の味や保存性などが変わります。つまり、微生物のはたらきでできた食べ物が発酵食品です。では具体的に、発酵食品にはどんなものがあるのでしょうか。
発酵食品一覧・農産加工品
【大豆類】
納豆菌により煮た大豆を発酵させた納豆をまず思い浮かべますが、味噌や醤油といった身近な調味料も発酵食品です。
他に大豆からできたものとしては、豆腐よう、中国の腐乳や臭豆腐、インドネシアのテンペのようなものがあります。
【穀類】
意外かもしれませんが、酵母によって発酵させて焼いたパンは発酵食品です。発酵してできた炭酸ガスが大きくパンを膨らませ、発酵でできたアルコールが焼いたときの独特の風味と香りを作りだしているのです。
イギリスやニュージーランドでビールの製造の時に出る酒粕で作られた「マーマイト」と呼ばれるペーストやオーストラリアで食べられる麦芽を発酵させた「ベジマイト」などのペースト状の発酵食品もあります。これらは、パンにつけて食べます。
米に麹カビを繁殖させた麹や麹を利用して作る酒も発酵食品です。日本酒、みりん、甘酒、韓国のお酒のマッコリなどがあります。焼酎は、米や麦、芋など色々な穀類を原料として作られています。ビールは大麦の麦芽をビール酵母で発酵して作ります。
米酢や穀物酢も発酵食品です。酒が酢酸菌によって酢になったのです。
【野菜類】
白菜の塩漬けやなどの塩漬け、ナスの糠味噌漬けやたくあんなどの糠漬け、奈良漬けのような粕漬けなど、漬物は発酵食品です。ピクルスやキムチやザワークラウトなど、海外の漬け物も発酵食品です。
【くだもの類】
ブドウを発酵したワインやワインビネガー、リンゴを発酵したお酒のシードル、かきを発酵させたカキ酢、ココナッツからできたナタデココなどがあります。
発酵食品一覧・水産加工品
【塩辛類】
塩辛というとイカの塩辛が代表的ですが、その他にもカツオやタコ、エビなどイカ以外の魚貝類の塩辛もあります。鮎からできた「うるか」やナマコの内臓からできた「このわた」なども塩辛の部類に入ります。
【魚醤油類】
秋田のハタハタを原料とした「しょっつる」、石川県のイカを原料とした「いしり」やイワシやサバなどを原料とした「いしる」、タイの「ナンプラー」やベトナムの「ニョクマム」などがあります。
【つけもの類】
イワシやニシンの糠漬けも古くから食べられてきた発酵食品です。石川県では、フグの卵巣の糠漬けが食べられています。福井県の「へしこ」も発酵食品として有名です。鮒を塩漬けにした後ごはんと一緒に付け込んだなれ寿司や、鮭を塩漬けにした後米麹と一緒に発酵させた飯寿司などもあります。
【燻製類】
かつお節も発酵食品です。カビを利用してかつお節独特の旨味を作り出しています。
発酵食品一覧・畜産加工品
【牛乳類】
ヨーグルト、チーズは発酵食品としてよく知られています。牛乳だけでなく、ヤギや水牛など家畜の乳で作られたものも多く食されています。他には、生クリームを乳酸菌で発酵させたサワークリームや、発酵バターなどがあります。
その他の発酵食品
紅茶や烏龍茶は、茶葉を茶葉に含まれる酵素のはたらきにより発酵させて作ります。烏龍茶は、紅茶より発酵の程度が少ないお茶です。その他、プ―アール茶は、様々な菌による発酵により熟成されたお茶です。