発酵食品の魅力を伝える便利でおいしさ満載のレシピ本

発酵食品の料理

どこの書店や図書館に足を運んでも、発酵食品を取り扱った料理の本はずらりと本棚に並んでいます。健康志向の高まりと同時に発酵食品の健康効果が見直され、人々の関心も食卓へと定着してきました。発酵食品がこれほど受け入れられた背景には「手間いらずでおいしい」「おいしいのにヘルシー」という大きな魅力があります。今回はそんな魅力を実感できるレシピとともに「発酵食品のパワー」も学ぶことのできる本、プロの手による丁寧で本格的な本を選びました。

漬けるだけ発酵食レシピ(著者:安保徹、山田奈美 出版:アスペクト)

発酵食品を知り尽くした大学教授と食養研究家によるレシピ本で、発酵食の知識を織り交ぜながら、美味しく便利なレシピが掲載された1冊です。この本の題名にある通り、あらかじめ作っておいた塩麹床、甘酒床、酒粕床、味噌床、醤油床、酢床の中に、各食材をただ漬け込んでおくだけで、美味しくいただけるものばかりです。もちろんそのままいただけるもの、焼き物、煮物などレパートリーも豊富で、どうしてこんなにおいしいのか、どんな効果を持っているのか、丁寧にわかりやすく解説しています。

乳酸発酵漬け作りおき(著者:荻野恭子 出版:文化出版局)

塩水に野菜や果実を始め、肉類、魚類、乾物まで漬けることで、手軽に作ることのできる乳酸発酵漬けを用いたレシピ集です。乳酸発酵することで保存性も増し、酵素の働きによってタンパク質が分解され、アミノ酸などのうまみ成分がプラスされるため、どれも熟成したコクのあるおいしさが味わえます。乳酸発酵漬けは塩水のみで漬け込んでいるため、シンプルに素材の味を楽しめるばかりでなく、バリエーションも広がります。また、漬けておくことですでに塩分をしみ込ませているので減塩効果も期待できます。さらに、この本には乳酸発酵漬けで作る料理だけでなく、甘酒や味噌類、豆板醤など本格的な発酵調味料の作り方も詳しく掲載されています。

天野屋太鼓判!塩麹レシピ(著者:野澤幸代 出版:マーブルブックス)

ハンバーグ・ぶり大根・かぼちゃの煮物、まずこの3品から塩麹の力を実感してほしいと始まるレシピ本で、1冊まるごと塩麹を使った料理が掲載されています。著者の言葉どおり塩麹の美味しさとパワーを改める感じることができると同時に、レパートリーの広さにも驚かされます。決して難しい料理が載っているわけではないのですが、手軽に作ることのできる家庭料理を中心に少しの工夫とこだわりを効かせた一品揃いです。巻末にある塩麹オイルや塩麹ラー油、塩麹トマトなど塩麹をベースにしたアイデア調味料も載っています。江戸時代から麹を作っている東京・神田の「天野屋」が太鼓判を押すのも納得の一冊です。

こんなに使える酒粕レシピ(著者:栗山真由美 出版:家の光協会)

日本酒の副産物を呼ばれ、味も栄養面も注目度が高まっている酒粕と使った、料理研究家によるレシピ本です。酒粕を使った料理といえば汁物や鍋物などが多い印象ですが、揚げ物や漬け焼き、また調味料として普段の料理に少量加える、カレーなどの効かせ味に使用するなど、この一冊で酒粕の魅力と幅広い使い道を新発見、再発見できます。また酒粕を使用した甘酒を使ったプリンやアイスクリンも紹介されています。

おいしいから毎日食べたいお酢料理(著者:村田裕子 出版:講談社)

お酢は体にとても良い発酵食品だとわかっていても、なかなか使いこなせない、その酸っぱさが苦手という声を耳にします。この一冊はお酢を使った料理のさっぱりしているのにコクのある煮込み料理や炒め物から、甘酢だれ、ゴマだれ、だしドレッシング、サワードリンクまで、酢の良さをさりげなく引き出し、日常的に取り入れやすい料理を紹介しています。定番料理の中に少しの酢を加えるだけで、無理なく摂取することができるということを教えてくれるレシピ本です。

発酵食品の持つ効果や効能を得るためには摂取し続けることがとても大切です。とはいえ、忙しい日々の中、味噌汁や漬物などの定番料理に偏ってしまいがちですが、一冊の料理本、ひとつのレシピとの出会いによって、発酵食品の世界や可能性をどんどん広げていけることを期待します。

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