発酵食品の魅力 腸内環境の改善が美肌を実現

食事による美肌ケア、中でも最近注目されているのが「発酵食品」による美肌ケアです。最近の研究で、発酵食品が美肌に効くということが実証され、意識的に摂取する女性が増えつつあります。発酵食品は、かつて冷蔵庫などがない時代にいかにして食品を長期保存できるか、先人たちが知恵を絞って作った奇跡の食品です。今回は、発酵食品が美肌にもたらす効果効能をさまざまな方向から解説します。

肌年齢と腸年齢はほぼ比例する

最近の研究によれば、整腸作用と美肌には密接な関係があり、肌年齢と腸年齢はほぼ比例することがわかってきました。この研究結果の中に、美肌を手に入れるヒントが隠されています。それは、外側からの肌ケアに加えて、実はそれ以上に内側から腸年齢を若くすること、つまり、腸内環境を若く保つことが最大の美肌の秘訣であるということなのです。

腸は生活のリズムや食生活が乱れたり、運動不足などによって、機能が衰え、腸内環境が悪化していきます。腸内環境が悪化すると、腸内の善玉菌の数が減少し、悪玉菌の数が増加して、便通が悪くなります。さらに悪化していくと、腸内にガスがたまり、細胞が劣化し、肝臓などの臓器に負担がかかって代謝が悪くなってしまうのです。そして、体の代謝が悪くなると、肌にも影響が出て、美肌を維持することがとても難しくなってしまいます。

発酵食品が美肌に効く

そこで、注目されたのが発酵食品です。発酵食品には、乳酸菌がたくさん含まれており、発酵食品を摂取することで悪玉菌の数が減り、善玉菌の数が増えてきます。善玉菌は、腸内環境を整える働きがあり、発酵食品に含まれる善玉菌の多くは生きたまま腸まで届くため、発酵食品の摂取で美肌効果が大いに期待できるのです。

美肌を保つことは、新陳代謝が適度に行われることともいえます。細胞の生まれ変わりは、体内の代謝酵素の働きによって行われますが、残念なことにこの代謝酵素は年齢とともに減少してしまうため、新陳代謝のスピードがだんだん衰えていくのです。しかし、幸いにも、多くの発酵食品には、代謝酵素を豊富に含む食品が多く、発酵食品を適度に摂取すれば、代謝の活性化につながると考えられています。

発酵食品という形に変えると抗酸化作用物質の吸収がしやすくなる

肌細胞が老化する原因の一つは、肌細胞が悪玉活性酸素で酸化してしまうことです。そのため、肌細胞の老化を防ぐためには、抗酸化作用をもたらすビタミンC、βカロチンやポリフェノールを適度に吸収する必要があります。身近なところでは、野菜や果物に多く含まれている成分ですが、実は、そのまま野菜や果物を摂取しても細胞結合度が強すぎて、消化吸収がされにくいのです。そこで、もっとも吸収されやすい形に変えた食品が発酵食品です。

抗酸化作用物質であるビタミンCやポリフェノールが体に吸収されやすい形に変わると、酸化が防止され、アンチエイジング効果が促進されます。さらに、発酵食品に含まれる乳酸菌には、チロシナーゼと呼ばれるメラニン色素の発生要因である酵素を抑制できる効果があります。紫外線などに長年さらされた肌は、シミやそばかすになりやすいですが、このチロシナーゼを抑制できれば、シミやそばかすも抑制できるのです。つまり、発酵食品を摂取することは、チロシナーゼの抑制に働きかけ、体の内側から美白を促すことにつながると考えられます。

ヒアルロン酸をしのぐ保水力

発酵食品の中でも納豆に多く含まれているペプチドには、とても高い保水力があります。ペプチドは、ポリグルタミン酸と呼ばれるアミノ酸の一種です。その保水力はヒアルロン酸以上で、肌の再生効果が期待できます。

最近では、このペプチドが医療や化粧品などの分野でも注目されており、エイジング層向け、乾燥肌向けの基礎化粧品などという形で製品化されてきています。

発酵食品が持つメンタルヘルス効果

最近の研究では、発酵食品がメンタルヘルスにも功を奏することが判明してきました。発酵食品に含まれる多くの成分が、ストレスの蓄積や人の心にまで大きく影響しています。

一部の研究によれば、発酵食品の摂取量が多い人は、どちらかといえば大らかで明るく、よい対人関係を築く傾向が強いようです。ストレスの蓄積は、ホルモンの働きと関係が深く、男性ホルモンが増加すると肌荒れや白髪、薄毛などの原因になることが確認されています。このような研究結果から考える限り、発酵食品を適度に摂ることでストレスを軽減でき、日常的に発酵食品を摂り入れる食生活が習慣化されれば、ストレスフリーな生きやすい人生を手にすることも十分可能であると考えられます。

納豆で美肌 その効果的な食べ方は?

大豆を発酵させて作った納豆は、ポリグルタミン酸とナットウキナーゼの2つの酵素が含まれています。ナットウキナーゼには血栓溶解効果があるため、納豆を摂取すれば血流がよくなり、美肌効果が期待できるのです。また、納豆の原料の大豆に含まれるイソフラボンは、構造上、女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きをするため、美肌には欠かせない栄養素と考えられます。

納豆の美肌効果を最大限にするためには、加熱しすぎないことです。加熱によって、乳酸菌が死滅してしまうため、逆に冷凍保存して生きた納豆菌を食べるほうが効果的です。上手な解凍のポイントは、食べる前日に冷蔵庫に戻し、ゆっくりと時間をかけて解凍することです。冷凍環境では、納豆菌がいったん冬眠状態になるだけなので、大量に買って食べきれないような時には、冷凍保存しておき、その都度解凍していただくようにすると、常に新鮮で生きた納豆菌を摂取することができます。

自分にあったヨーグルト選び

牛乳を乳酸菌で発酵させて作ったヨーグルトは、その起源は紀元前4000年にまでさかのぼると言われています。しかし、その健康効果が注目されてきたのは19世紀末、まだごく最近のことです。ヨーグルトは、日本でも明治時代頃から食べられるようになりましたが、現在では各メーカーが競うように様々な製品を開発し、手軽に食べられるようになりました。

そこで、どのヨーグルトが一番効果が高いのか、という疑問が生じてくるかもしれません。実は、ヨーグルトに含まれている乳酸菌の種類は大変多く、各メーカーがそれぞれの製品の目的に合わせて、異なる菌を使い製造しているのです。そのため、乳酸菌の種類によって、その働きも様々であることはもちろん、効果効能にも違いが生じてくるでしょう。一番よい方法は、複数のヨーグルトを食べ比べてみて、自分の目的に近いヨーグルトを選ぶこと、そして、できれば夜に摂取すること(最低でも寝る3時間前までに)です。これは、夜に摂取した乳酸菌をゆっくりと体内に摂り入れ、夜中に善玉菌を活性化させる必要があるからなのです。以下はヨーグルト選びに参考にしたいヨーグルト乳酸菌の特徴についてです。

1.腸内改善・肌機能改善なら

LB81乳酸菌

…… ブルガリア菌・サーモフィラス菌の2種類が相互に働き合って増殖し、短期間で効果が期待できる

2.花粉アレルギー対策なら

ビフィズス菌BB536

…… 整腸作用と春・秋に肌荒れしやすいスギ花粉症等の対策に効果が期待できる

3.ビフィズス菌BE80

…… 腸まで生きたまま乳酸菌を届ける「高生存ビフィズス菌」、便通改善効果が期待できる

4.LCG乳酸菌

…… 体内で発生するアンモニアなどの成分を軽減し、アトピー性皮膚炎、敏感肌などに効果が期待できる

5.ガセリ菌SP株

…… 腸内環境の改善、内臓脂肪や皮下脂肪の減少に効果が期待できる

植物性乳酸菌が豊富な発酵食品「キムチ」で美肌に

植物性乳酸菌が豊富で低カロリーな「キムチ」は、美肌効果にも嬉しい発酵食品の一つです。ここで注意したいことは、韓国の伝統的な製造法に則ったキムチを摂取することです。市販品を購入する時には、「本格キムチ」「熟成キムチ」「発酵キムチ」などと銘打ったキムチを選ぶようにします。

一般的にキムチの植物性乳酸菌は、熱に弱く、50℃前後で30分程度で、100℃の状態では数秒で死滅するという特徴があります。ただし、乳酸菌が死滅しても、その乳酸菌とともに悪玉菌も体外に排出する働きがあるため、美容効果は期待できると考えられます。しかし、さらに美肌効果を高めるためには、やはり、加熱しない生の状態で食することが一番理想的です。冷麺や豆腐などに少量のキムチを加えて摂取すると、さらに効果が期待できるでしょう。

美肌効果をねらう和の発酵食品

ぬか漬けは、植物性乳酸菌が豊富で、ぬか漬けにすれば体を冷やす心配もありません。季節の野菜で四季折々のぬか漬けを楽しめ、一度ぬか床を作ってしまえば自分でも手軽に作ることができます。

また、酒の肴に重宝されるいかの塩辛は、コラーゲンが豊富で美肌におすすめの発酵食品です。塩気が強いので食べすぎには注意が必要ですが、コラーゲンと一緒にカルシウムなどを摂ることができます。

日本人のソウルフードともいえる味噌汁には、鰹節を使う家庭も多いでしょう。鰹節は、世界で最もかたい発酵食品です。だし汁としてそのまま食べても、美容効果はとても期待できます。味噌やしょうゆなど、日本伝統の発酵調味料と合わせて食することで、その効果は倍増します。しかし、どの発酵食品、発酵調味料にも多量の塩が使われているため、塩分の過剰摂取にならないよう、毎日少しずつ適量を摂取するように注意する必要があります。

美肌のために心がけたい発酵食品の摂取法

理想は、1日最低1回、1日3種類を継続して摂取するように心がけることです。それは、発酵食品に含まれる乳酸菌の寿命と関係があるからです。乳酸菌、とりわけ善玉菌の寿命は平均して3日程度なため、善玉菌の数を一定に保つために、1日最低1回摂取することが適当です。さらに、腸内に複数の種類の善玉菌を棲息させておく方が腸内環境の改善が促進されやすいため、1日3種類の異なる発酵食品を無理なく摂取するようにします。

基本的には、発酵食品は様々な種類を組み合わせて摂取することがおすすめですが、ここで一つ忘れてはいけないことは、動物性発酵食品のカロリーと発酵食品に含まれる塩分量を気にかける必要があることです。植物性発酵食品は低カロリーですが、動物性発酵食品は脂肪分が多くカロリーも高めです。そのため、1日の発酵食品の摂取を植物性発酵食品:動物性発酵食品=2:1の割合で摂取するなど、毎日の食事の中で一工夫すれば、たいしてカロリーオーバーも気にせず、発酵食品の効果も期待できるでしょう。

また、塩分の量についても同様です。実際、たいていの発酵食品にはかなり多めの塩分が使用されています。それは、発酵食品は、長く安定して保存させる必要があるため、どうしても多くの塩分を必要とするからです。そのため、一度に大量に摂ることを避け、少量を適度に摂取するように心がけると、腸内環境がよくなり、塩分過多による体調不良も予防することができるでしょう。

まとめ

発酵食品は美肌にとても効果的なことがわかりました。毎日の食事の中で、少しだけ発酵食品を加えるだけで、こんなにも多くの美肌効果や健康効果が期待できます。ポイントは、毎日複数の発酵食品を少しずつ摂ることです。常に腸内環境をきれいな状態に保ち、美肌と心身の健康を実現していきましょう。

そして、発酵食品で美肌効果を上げる最大の秘訣は、継続です。無理せず、自分のペースで発酵食品生活を楽しみましょう。

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