発酵食品のがん抑制効果

1980年頃まで日本人の死亡原因の第1位は脳血管疾患でしたが、今では男女ともに悪性新生物、つまり「がん」が1位になっています。特に、40代から80代までの死亡原因の1位はがんです。

そこで、健康で暮らすためには、日頃からがん予防を心がけることが非常に大切ということがわかりますが、それには発酵食品を定期的に摂ることが有効だと言われています。発酵食品のがん抑制効果はどのようなものなのでしょうか。また、どのような部位のがん抑制に効果的なのでしょうか。

胃がん抑制にはピロリ菌除去が効果的

日本の胃がんによる死亡率は高く、男性は2位、女性は4位です。その理由の一つは、日本人のピロリ菌感染者の数の多さにあるのではないかと言われています。ピロリ菌に感染したからといって、すぐに胃がんになるわけではありませんが、日本人のピロリ菌感染者は、人口の50%になると推定されています。

ピロリ菌に感染すると、胃壁の細胞が攻撃され、胃酸に対するガード機能が弱まります。そうなると、胃壁はピロリ菌に感染していない人よりもダメージを受けやすく、胃潰瘍や慢性胃炎になりやすくなり、胃がんになる危険性も高くなってしまうのです。

ピロリ菌感染者は、ピロリ菌に感染したことがない人に比べ、胃がんのリスクが5~10倍になることが報告されているそうです。したがって、ピロリ菌を除去することが、胃がん抑制に重要ということになります。

発酵食品は胃がん抑制に効果的

ピロリ菌の除菌には、一部の乳酸菌が有効だと言われています。ピロリ菌感染者に、ヨーグルトを1日2回、4週間にわたって食べてもらったところ、通常の除菌療法をしたグループの除菌率が80%弱だったのに対し、ヨーグルト併用グループの方が除菌率は90%近くだったという報告があります。

一部のビフィズス菌は、胃粘膜の炎症抑制効果もあります。発酵食品を摂ることで、ストレスにさらされて弱った胃の粘膜をガードし、胃潰瘍や慢性胃炎を予防します。こうした理由でも、ヨーグルトなどの発酵食品は胃がん抑制に効果を発揮することになるのです。

大腸がん抑制効果の決め手は腸内細菌

日本人女性の大腸がんによる死亡率はトップの座を占めており、男性では胃がんに次いで3位、全体では2位になっています。大腸がんによる死亡率は年々増加の傾向で、その主な原因は、食事内容が欧米化やダイエットによる便秘にあると言われています。

脂肪をとりすぎたり、食物繊維が不足したりした生活を続けていると、腸の中で悪玉菌が増えます。その中でも、ウェルシュ菌と呼ばれる悪玉菌は、腸で肉などのタンパク質を分解してニトロソアミンと呼ばれる発がん物質を作ます。

さらに、悪玉菌の中には、肝臓で作られた胆汁酸を酸化し、大腸がんを促進する二次胆汁酸に変化させます。したがって、悪玉菌をいかに減らすかが大腸がん抑制の決め手になるのです。

大腸がん抑制には発酵食品が効果的

大腸にビフィズス菌などの善玉菌が増えれば、悪玉菌が減ってニトロソアミンや二次胆汁酸を減らすことができます。それには、ビフィズス菌などの乳酸菌を多く含むヨーグルトや漬け物などの発酵食品を摂ればよいのです。

また、オリゴ糖は乳酸菌の増殖を助けてくれます。オリゴ糖は、味噌や納豆などの発酵食品に多く含まれます。普段の食卓で、これらの発酵食品も摂るように心がければ、がん抑制の効果がさらに高まるのです。

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