日本人と発酵食品の意外な関係

日本の温暖な気候風土は、味噌やしょう油、日本酒など様々な発酵食品を生み出しました。私たち日本人の生活は、発酵食品なしでは成り立たないほどです。このように発酵食文化が豊かな日本ですが、意外にも発酵食品ならば何でも日本人に合うとは限らないことをご存知でしょうか。日本人と発酵食品の関係を考えてみましょう。

日本人と乳製品由来の発酵食品の関係

多くの発酵食品に恵まれた日本ですが、農耕民族だった日本人のほとんどは、乳製品に含まれる乳糖を分解するための酵素、ラクターゼを基本的に持っていません。ただし、授乳中の赤ちゃんはラクターゼを持っていますが、大人になるにつれて減少するのです。

このように乳糖を分解するラクターゼを持っていないため、体に入ってきた乳糖に対応することができずに、牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたりしてしまう日本人が多くいます。

乳製品を原料とするヨーグルトやチーズなどの発酵食品は、乳糖由来の乳酸菌によりできます。そのため、牛乳よりも日本人には受け入れやすいのですが、それでもヨーグルトやチーズなどの発酵食品中の乳糖が体に合わない日本人も多いのです。

ヨーグルトは体に良いらしいというので、毎日ヨーグルトを食べているけれど調子が悪いと思う方は、体質に合っていないのかもしれません。

日本人には植物性の発酵食品

同じ乳酸菌でも、乳糖以外の糖をエネルギー源とする乳酸菌もいます。甘酒や味噌、しょう油、糠漬け、酢、日本酒など、古くから日本に伝わる発酵食品は植物に含まれる糖をエサとして乳酸菌が繁殖して生まれます。これらの発酵食品は、長い歴史の中で日本人がずっと食べ続けてきたものなので、私たち日本人の体に負担がかかりません。

さらに、植物に由来する乳酸菌は乳糖由来の乳酸菌に比べ胃酸にも強く、腸の中でも長生きしやすいという性質を持っています。日本人の腸の長さは、欧米人に比べ長いと言われていますし、腸の中でより長く生きていてくれる植物由来の乳酸菌を多く摂りたいものです。

日本人の食生活の変化と発酵食品

かつて、日本では各家庭で味噌やしょう油、漬け物などの発酵食品を作っていました。生きた微生物の力を使って発酵食品を生み出し、食事の中で自然と乳酸菌や麹菌などの体にとって良い微生物を摂取していたのです。

ところが戦後、海外から様々な食文化が入り、日本人の食生活は大きく変わりました。肉や乳製品を食べることが増え、家庭で味噌や漬け物などを作ることも珍しくなってきたのです。そのため、和食を食べる機会が減り、日本人が昔から食べてきた発酵食品を摂る機会も減少し、結果、がんなどによる死亡率も上昇しました。さらに、アレルギーなどの免疫系の疾患にかかる人が増えてきたことも気になります。

欧米型の食生活よりも、味噌や納豆のような大豆の栄養を同時に取り入れることのできる発酵食品を多く摂ることが、がん予防に効果的だという報告もあります。また、近年は腸内環境を整えれば、免疫力が高まり、様々な病気に対抗できるのではないかと言われています。腸内環境を整えるには、乳酸菌などの発酵食品に含まれる微生物が効果的です。

健康な生活のためには、今一度日本人が古くから食べてきた発酵食品を見直し、食生活に積極的に取り入れる努力が必要なのかもしれません。

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