免疫力を上げる6大発酵食品

周囲を海に囲まれ、山地が多く、森林に恵まれた日本では、古代から人間と自然との共生を大切にしてきました。その独特な環境の中で、日本の発酵食品は独自に発展を遂げてきました。

その土地に根ざした微生物の力を利用した発酵食品は、古代の食文化を思わせるような叙情が感じられ、食材本来の滋味をより深めてくれるでしょう。

ここでは、発酵食品のなかでも特に免疫力アップに効果的な日本の代表的な発酵食品である「納豆」「味噌」「酢」「ぬか漬け」と、「ヨーグルト」と「チーズ」を加えた6大発酵食品について紹介していきます。

最高の美容食「納豆」

5大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)の他に、食物繊維を含む納豆は、特に体内で合成不可能な必須アミノ酸をバランスよく含んでいることで近年注目されています。知る人ぞ知る最高の美容食である納豆は、安価で一粒一粒に栄養と旨味が凝縮された近年注目されている発酵食品の一つです。

大豆に比べ、ビタミンB群は約6倍、レシチンは約1.5倍含まれ、美肌作りに効果的です。そのほか、イソフラボンや大豆サポニンが多く含まれ、アンチエイジング効果や抗酸化作用に優れています。また、納豆のネバネバの正体であるグルタミン酸は、納豆の旨味を倍増してくれます。

納豆は、特にオクラやじゃこ、ごま油などと相性がよく、一緒にとると、免疫力がアップします。特に、夕食時にとることがおすすめです。大豆を丸ごと発酵させた納豆は、大豆の栄養と旨味を最大限に引き出し、先人が限られた条件の中で、工夫して生み出した知恵の結晶ともいえる発酵食品の一つです。

3つの菌が生み出す発酵食品「味噌」

イソフラボンと抗酸化成分を豊富に含む味噌は、麹菌、酵母菌、乳酸菌の3つの菌によって醸成された発酵食品です。古代から味噌はたんぱく源として重宝されており、味噌は万能薬のような役割を担ってきました。

味噌は、郷土や家庭によって、好みや味わいが異なり、種類も豊富です。特に、味噌が持つ独特で芳醇な香りはとても魅力的です。魚や肉などの食材を味噌の中に漬け込めば、食材そのものの素材が柔らかく、さらに深いコクや香りを楽しむことができるでしょう。

味噌は、その主原料である大豆の優れた栄養素に加え、酵母菌が作るHEMFと呼ばれる香味成分に抗がん作用があることが認められました。そのため、世界でも健康食品の一つとして高い注目を集めています。最近の一部の研究によると、味噌汁を飲むことで乳がん発生率のリスクを下げる効果があることが確認されています。1日3杯飲む人の発生率は、そうでない人と比べて40%も下がるとの研究結果が報告されています。

高血圧予防に効果的な酢

純米酒を酢酸菌で発酵させたものが酢です。実は、酢は、塩の次に手に入れた調味料とも伝えられており、紀元前5000年頃の書物にもその存在が登場する発酵食品です。酢は、原料によって名称、規格が異なりますが、代表的なものとして、穀物から作った穀物酢、果実を原料とする果実酢、それ以外の原料で作られた醸造酢やすし酢などの加工酢などがあります。

酢の健康に与えるパワーは、現代人にとってなくてはならないものです。大きく分けて酢には3つの働きがあります。1つ目の働きは、血糖値の上昇を緩やかに保つことが可能なこと。また、2つ目の働きとして、ダイエットに有効で、内臓脂肪を減少させる働きがあります。さらに、3つ目の働きとして、酢を糖分と一緒に摂取することによって、運動などで減少するグリコーゲンと呼ばれるエネルギー源の補充を助けてくれます。

また、酢は適度に摂ることによって、高血圧予防に高い効果を発揮することが認められています。酢酸の働きにより、血管を拡張させ、血圧を下げる効果が期待できるほか、代謝の促進に効果的なため、一日一品程度、酢の物を食することが理想的です。

江戸時代から食されたぬか漬け

日本には、その土地ごとに数えられない種類の発酵漬物があります。なかでも代表的なものの一つが、米ぬかに塩と水を混ぜたぬか床に様々な野菜を入れて漬けるぬか漬けです。白米を食べるようになった江戸時代に大量に出る米ぬかを漬物に利用したことがぬか漬けの始まりとされています。ぬか漬けはヘルシーな食品として、多くの日本人に愛される伝統食の一つですが、漬けるときに多量の塩を使用するため、塩分の摂り過ぎに注意する必要があります。

ぬか漬けは、米ぬかに含まれる糖質やタンパク質から出る成分が塩分をまろやかにし、野菜の旨味を最大限に引き出してくれます。漬物に欠かせない植物性乳酸菌は、動物性乳酸菌と比較すると低栄養です。微生物にとっては、漬物という低温で塩分濃度が高い環境は、生存にはとても不利であると考えられがちですが、このような厳しい環境は、短時間で植物性乳酸菌の数を急激に増殖させ、生きて腸に届けることができるという特徴を持っています。

植物性乳酸菌は、善玉菌を増殖させ、さらに、食物繊維が善玉菌の栄養となり、植物性乳酸菌と食物繊維が相互に助け合いながら腸内環境を整える役割を果たしています。なかでも、ラブレ菌と呼ばれる植物性乳酸菌は、ガンを抑制するインターフェロンαを増やして免疫力をアップする働きがあると研究報告されています。

チーズ

チーズは、遊牧民族が革袋に牛や羊の乳を入れて運んでいたときに、偶然に固まり始めてできたものが始まりと言われています。世界中には多種多様なチーズがありますが、原料となる乳や酵素、乳酸菌の種類、熟成方法がそれぞれに異なり、様々なチーズが出来上がります。

チーズの栄養価は高く、消化吸収にも優れています。特に、チーズに含まれるカルシウムは、チーズの種類によっても異なりますが、牛乳の6倍~10倍以上含まれていることで注目されています。このカルシウムは、発酵の時にカゼイン(乳タンパク質)の分解によってできるCPPという成分によって、効率よく吸収されます。また、チーズに含まれる必須アミノ酸のメチオニンが肝臓の機能を助ける役割を担うため、お酒のおつまみに最適な発酵食品と考えられます。

チーズをおいしく食べるためには、チーズの種類によってその切り方を工夫するのが理想的です。切る角度や厚さなどを考慮しながらチーズを切ることによって、一回の摂取に必要な濃度の偏りを減らし、適度な栄養が摂取できると考えられています。チーズ独特の旨味成分を上手に引き出す高度な技術や工夫には目を見張るものがあり、いわば芸術的な発酵食品とも言えます。しかし、高カロリーであるため、食べすぎないよう注意が必要です。

ヨーグルト

ヨーグルトは、牛や羊などの乳を乳酸菌で発酵させ、凝固させた発酵乳です。優れた保存性とおいしさだけではなく、ロシアのノーベル生理学・医学賞の受賞者イリヤ・メチニコフが100年ほど前に発表した「ブルガリア不老長寿説」によって、ヨーグルトが広く普及したと言われています。

ヨーグルトは大きく分けて2つの製法によって作られます。ソフトヨーグルト、ドリンクヨーグルトなどには、発酵させてから容器に入れる前発酵製法、一般的なプレーンヨーグルトなどには、容器に入れてから発酵させる後発酵製法が用いられます。前者より後者の製法の方が発酵時間が短くなります。

ヨーグルトは、整腸作用の他に、免疫力アップなどにも有効です。ヨーグルトを食べて腸内の善玉菌が増殖すると、腸内は酸性に傾くため悪玉菌の数が減少し、腸内細菌のバランスが整います。また、細菌やガン細胞に耐性があるNK細胞がヨーグルトの乳酸菌によってさらに強化され、免疫力を向上させる効果が期待できます。

まとめ

今回は、発酵食品の中でも、特に身近で日常的に食される代表的な6つの食品を紹介しました。このほかにも、私たちは数多くの発酵食品を毎日の食生活の中で摂取しています。先人たちが歩んだ食文化を今なお現代人も彼らとともに食を通じて歩むことができるという事実は、たいへん素晴らしいことです。先人たちが生み育てた知恵の結晶である発酵食品は、健康への秘訣、免疫力アップの鍵とも言えます。発酵食品を上手に摂取して健やかな美しさを手に入れましょう。

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