発酵食品味噌の知られざる効能

古代から日本人が食べてきた食品の中には、たくさんの発酵食品があります。私たちにとって身近な味噌も、そんな発酵食品の一つです。すでに奈良時代には、今の味噌の原型となるようなものを食べていたという記録もあるそうです。

味噌は大豆と米麹や麦麹を食塩と一緒に発酵させた食品ですが、各地域の気候風土や農産物、そこに住む人の好みによって、原料や味、色が違っています。米味噌や麦味噌、豆味噌といった材料による呼び方もありますが、信州味噌や仙台味噌、西京味噌、八丁味噌などという名はよく耳にするのではないでしょうか。

私たちの生活に深く結びついた味噌ですが、かつては過剰な塩分摂取の予防という名の下で食べることを避けられてきた歴史もあります。けれども、近年、この味噌という古くからある発酵食品には、私たちが健康に暮らすための知られざる効能が多くあるという報告がなされているのです。

発酵食品味噌に含まれるタンパク質の効能

味噌はみなさんが思っている以上に栄養が豊富な発酵食品です。タンパク質を例にとれば、味噌に含まれるタンパク質は、麦味噌は10%、豆味噌で18%もあります。牛肉の平均タンパク質は約19%といいますから、その栄養価の高さがわかります。

タンパク質は20種類のアミノ酸が結合してできたものですが、このアミノ酸の中には、私たちの体の中で合成することができないアミノ酸がいくつかあります。これら、人間が食物として外部から取り入れなければならないアミノ酸を必須アミノ酸と呼びます。

味噌に含まれるタンパク質を構成するアミノ酸には、リジンやロイシンなどの必須アミノ酸が多く含まれています。リジンは脂肪をエネルギーに変える時に必要です。ロイシンは子どもの成長や筋肉維持に必要な必須アミノ酸です。どちらも身体組織を修復や肝機能を向上させる効能があります。

さらに、味噌の大豆タンパク質は発酵の過程で消化吸収の良い形になっています。したがって、大豆そのものを食べるよりも発酵食品である味噌を食べる方が、必須アミノ酸をより効率よく吸収できます。

発酵食品味噌に含まれるミネラルの効能

味噌には日本人に不足しがちなビタミン類やカリウム、カルシウムなどのミネラルが豊富にあります。さらに、味噌の発酵の過程で生成されたリン脂質の一種レシチンは、高血圧の予防に効果があると言われています。また、味噌に含まれるリノール酸は心臓や脳髄の中の毛細血管を丈夫にします。味噌の中の脂肪性物質のリノレン酸エチルエステルは、胃がんや動脈硬化、高血圧、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、肝硬変などの病気を抑制するという報告もあります。このように、味噌は病気予防効果の高い成分を含んだ発酵食品でもあるのです。

味噌の効能をさらに強化する発酵食品

嘗味噌という呼び名の食べ物をご存知でしょうか。もともとは中国浙江省径山寺(きんざんじ)から製造法が伝来し、大阪を中心とした関西地方で金山寺味噌として広まったといわれる発酵食品です。

嘗味噌は味噌を主材にさまざまな材料を混ぜて作ったもので、そのままご飯にのせて食べたり、酒の肴やお茶うけにしたりして食べられてきました。嘗味噌には牡蠣味噌や柚子味噌、葱味噌など、味噌と具を混ぜただけのものと、金山寺味噌や鰹味噌のように酵母と乳酸菌でさらに発酵させたものがあります。味噌汁として毎日味噌を摂るのはもちろん、嘗味噌のような発酵食品も上手に取り入れて、味噌の効能を上手に生かした生活を送るのも良いのではないでしょうか。

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