発酵食品は腸を効果的に整える

腸は第二の脳と言われるほど人間にとって重要な器官です。食べ物を消化吸収するだけでなく、人間の免疫系の面でも重要な器官であることもわかってきました。そして、その腸のはたらきを効果的に引き出すには、発酵食品が重要なカギを握っていることもわかってきました。

腸の免疫系としての効果と発酵食品

腸管の中の空洞は、表面を上皮細胞で覆われていますが、その上皮細胞の内側には免疫細胞や神経細胞があります。そして、それらの細胞は、リンパ管や毛細血管とつながっています。そこで、食品に含まれる免疫因子を上皮細胞が認識すると、そのシグナルは免疫細胞に伝えられ、身体の各部へ伝えられます。

そして、この免疫による効果は、食べた物そのものによる効果以上に、一緒に腸に達した乳酸菌などがその力を強化することがわかっています。ある実験で、牛乳だけを飲ませたネズミと、乳酸菌で発酵させた牛乳を飲ませたネズミの両方をサルモネラ菌に感染させた後に抗体値を測定すると、乳酸菌で発酵させた牛乳を飲ませたネズミの方が高い値を示したといいます。つまり、発酵食品は、病気に対抗する力を腸内で効果的に作り出すことができるのです。

植物系発酵食品が腸での消化吸収に効果的

乳酸菌によってできる発酵食品というと、私たちはヨーグルトを思い浮かべますが、日本人の半数近くは、腸内に牛乳を分解できる酵素を持っていないといいます。私たちは忘れがちですが、味噌やしょう油、ぬか漬け、納豆などの植物性の発酵食品も乳酸菌の発酵によってできています。そして、私たち日本人は昔からそれらの植物性発酵食品を摂取してきました。

私たち日本人の腸にとって、体に負担のかかる乳製品を摂取するよりも、長い時間にわたり摂取し続けてきた植物性発酵食品の方が、消化吸収も良くより効果的なのです。

発酵食品は腸内で抗がん物質生成に効果

豆腐や味噌、納豆などの大豆食品を食べると、乳がんや子宮がんの予防になるといいます。これは大豆イソフラボンが女性ホルモンのエストロゲンに似ているからと言われてきましたが、大豆イソフラボンの健康効果は個人差があることが分かってきました。

大豆イソフラボンが腸で吸収されるとき、大豆イソフラボンのダイゼリンがそのまま吸収される人と、抗がん作用のあるエクオールという物質に変化してから吸収される人がいるのです。そして、この腸内におけるダイゼリンのエクオールへの変化には、発酵食品に含まれる細菌が関与していることがわかってきました。

このエクオールの変換率は、日本人の方が欧米人よりも高く、また日本人の中でも若い人たちよりも年配の方々の方が高くなっています。このことから、欧米型の食生活よりも、大豆と発酵食品を同時に摂取できる和食のほうががん予防に効果的だと言えるでしょう。

発酵食品とともに腸内環境を整えるのに効果的な食品

発酵食品に含まれる微生物によって腸内環境を整える研究が盛んにされていますが、その中でも乳酸菌やビフィズス菌という微生物の名を聞くことが多いのではないでしょうか。乳酸菌やビフィズス菌は胃酸に弱く、腸に到達するまでに90%が死んでしまいます。

けれども、オリゴ糖を同時に摂れば、オリゴ糖が餌となりビフィズス菌が増えるのです。オリゴ糖は大豆、ゴボウ、玉ねぎなどに多く含まれています。さらに、野菜やイモ類など食物繊維の多い食品をとると、便の量が増え、有害物質を吸着して体外に排出し、ビフィズス菌や乳酸菌が住みやすい腸内環境を作ります。病気に強い腸内フローラを作るためには、発酵食品を積極的に摂るだけでなく、色々な食品をバランスよく摂ることが大切なことなのです。

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