発酵食品日本酒の歴史、発祥

日本酒は日本で誕生したお酒です。米を主食とする日本人にとって、米から作る日本酒は昔から人々の食文化に根付いていました。
飲料として飲んだり料理に使ったりするだけでなく、神へのお供え物として使ったり、お清めのために使ったりと神聖なものとして扱っていました。
そんな日本酒の歴史を深く知る人は多くありません。日本酒の歴史を知ることにより、当時の人々の考え方や文化が見えてきます。

日本酒の起源

日本酒の原料は米、米麹、水です。
材料がないことには日本酒は作ることができないため、日本酒の起源は稲作が伝わり稲作が定着した弥生時代以降とされています。
人々の生活に稲作が根付き、豊かな水田が広がり始めた弥生時代前期には米の収穫量が安定し始めたため、その頃から日本酒作りが始められたのではないかと考えられています。
稲作と同時にアルコール発酵の技術も伝わった、水に浸していた米が自然発酵したなど様々な説がありますが日本酒の起源は解明されていません。

日本酒発祥の地

日本酒の発祥の地にはいくつかの説がありますが、九州発祥説と近畿発祥説が有力視されています。現在の鹿児島県の歴史を記した「大隅国風土記」と、現在の兵庫県の歴史を記した「播磨国風土記」に米を原料としたお酒の記述があったためです。
特に大隅国風土記に記された酒の記述が日本酒の最古の記録ではないかと考えられており、九州発祥説と近畿発祥説では九州発祥説の方が有力と見られています。
当時は酵母の力で米と水を発酵させるのではなく、加熱した米を口の中でよく噛み、唾液に含まれる酵素の力で発酵を促した「口噛み酒」でした。
日本酒は神に供えるために作られ始めたため、米を噛む作業を行うのは神社に仕える巫女のみに限られていました。
神に供え、そのお下がりである日本酒はとても神聖なもので厄払いやお祓い、お清めなどにも使用されていました。

日本酒は神話にも登場

神話に残る日本最古のお酒はスサノオノミコトがヤマタノオロチに造らせたお酒です。
この神話に出てくる「八塩折之酒(やしおりのさけ)」の作り方は古事記や日本書記の中に登場する酒造りの方法に酷似しており、当時はそれほど人々の生活に酒造りが根付いていたことが伺えます。
しかし、八塩折之酒の原料は米ではなく、木の実や果実などを使用したのではないかという説もあり、これが日本酒を指すのかどうかは謎とされています。

日本酒と米文化の深い繋がり

稲作は縄文時代後期~弥生時代前期に中国から現在の九州北部に伝わったとされています。
それまでは木の実や果実、動物の肉をほぼ自給自足で採集していた当時の人々にとって自分たちの手で作物を育てる技術は革命的であったと考えられます。
秋の収穫を迎えれば冬の食糧不足に備えることができるということもあり、九州に伝わった稲作が弥生時代中期には東北地方にまで広まっていったのではないかと言われています。
そして口噛み酒という原始的な方法から徐々に醸造技術が発達し、神々や天皇に捧げるための日本酒造りが本格的に始まりました。
奈良時代には米麹を使った醸造方法が確立し、日本酒の生産量も飛躍的に多くなりました。造酒司(さけのつかさ)という役所も作られ、そこで計画的な酒造りが行われていました。
稲作の定着とともに誕生した日本酒は、日本の食文化を紐解く鍵でもあったと考えられます。

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